一口にガラスと言っても様々な種類がありますが、型板(かたいた)ガラスもその中のひとつです。型板ガラスとは、ロールアウト製法により片面に型模様が施されたガラスを指します。ロールアウト製法とは、模様付きと模様なしのロールの間に柔らかい状態のガラス生地を通すことにより、片面に模様を付ける製法です。

型板ガラスは、片面の表面が平らではないので、光の屈折によって向こう側が見えにくくなります。一方で、光自体を遮るわけではないので、明るさは一般的なフラットなガラスとほとんど変わりません。そのため、一般的にはトイレや浴室など、外部からの視線を遮りたい場所の窓に使われています。なお、型模様が施された面は汚れが付きやすいので、窓ガラスとして使用する場合は型模様が施された面が外部に、フラットな面が室内に向くように設置するのが一般的です。
また、スタイリッシュな印象の柄、レトロな雰囲気がある柄、花柄など、型板ガラスのデザインはバリエーションが豊かなので、窓ガラスだけでなく食器棚の扉やテーブルトップ、照明器具のシェードなどにも用いられています。ただし、型板ガラスは厚みは厚みの種類はそこまで多くありません。型板ガラスの厚みは、屋外とのサッシ窓に採用する場合は4~6mm、室内の引き戸に採用する場合は2~4mmものを選ぶのが一般的です。
以上が型板ガラスの特徴や用途となりますが、目隠し目的で使われるガラスは型板ガラスだけではありません。ほかの目隠しガラスには、スリガラスやフロストガラスといった種類もありますが、スリガラスは向こう側が白く見えるのが型板ガラスとの大きな違いです。スリガラスは、ガラス越しの物体の色や形状が分かりにくいというメリットがありますが、表面の凹凸が非常に細かいので汚れが付きやすいというデメリットがあります。また、強度が弱く割れやすいという側面もあるので注意が必要です。タペストリーガラスとも呼ばれるフロストガラスは、向こう側が若干透けて見えますが、汚れが付きにくく強度面も改善されています。
フロストガラスは、インテリアに使われることが多いものの、製造工程が多いため価格は高めです。
また、型板ガラスは最初から型模様が施されているので強化加工を施すことはできません。一方で、スリガラスやフロストガラスは強化加工が可能なので、強度と目隠しを両立させたいという場合はスリガラスやフロストガラスを選択しましょう。