網入りガラスとは窓に使用するガラスの中に金網が入っている構造で、この金網があることで防火性や飛散防止の効果が期待できる特徴を持っています。そのため万が一熱でガラスが割れてしまったとしても、バラバラに飛び散るのを防ぐ性質を持っています。この網入りガラスは大きく分けて菱形ワイヤーとクロスワイヤー、プロテックスの3タイプがあります。

では実際にこのガラスが使われる場所とはどんなところかというと、主に火災時に延焼の可能性が高い部分であり、天窓や開口部に設置されるケースが大半です。実際に火を扱う飲食店からガソリンスタンドは、この網入りガラスの導入が消防法で定められているほどです。また建築基準法で定められている防火地域や準防火地域に該当する場合には、どのような建物でもこのガラスを導入することが法律上で決められており、自己判断で通常のガラスを使用してしまうと違反となるので十分に注意が必要です。
窓を網入りガラスにするメリット・デメリットはそれぞれ何かというと、メリットの場合自宅で火災が発生した場合、ガラスは強度がそこまで高くないため壊れてしまいまいますが、ワイヤーが入っていることでガラスが割れても破片が大きく飛び散る心配がありません。また突発的な火災・台風が発生した時に窓が割れて破片が刺さってしまい大怪我をするケースがありますが、このタイプの窓なら怪我をするリスクを最小限に抑える効果が期待できます。
ガラスが飛び散りにくい構造であることは、結果として炎の流出を防ぐ効果が高いこともメリットの一つです。このタイプのガラスは耐熱温度がだいたい110℃となり、熱湯程度であれば窓にかかってしまっても割れる心配がありません。
そして他のガラスを組み合わせることも可能なので、防音ガラスと組み合わせるなど複層ガラス状態にすれば、音を遮断する効果が期待できます。そしてこの複層ガラスは、ガラスとガラスの間に空気が封入される仕組みなので、遮熱性が高くなることも特徴の一つです。
網入りガラスのデメリットは、熱自体に強くないため熱くなりすぎるとひび割れを起こす「熱割れ」になりやすい特徴があります。通常のガラスと比べて温度が上がりやすいワイヤーが入っていることがネックであり、熱の膨張率も高いことから熱割れが起こりやすい注意点があります。また網入りガラスに断熱シートや網入りガラスにフィルムを貼る方がいますが、これはガラスに熱が溜まりやすくなる原因となるので、熱割れを引き起こす危険があり注意が必要です。