クラウンガラスは一般のもの比べ色分散が弱い性質を持ち、そのために様々な光がより直線的に通過する性質を持っています。そのため、レンズやミラー基盤、及び光学窓やプリズム等といった光学特性の高いものに利用される傾向があります。

クラウンガラスは一般のものに比べ少量の重金属を含んでおり、そのためにバンドギャップエネルギーと呼ばれる要素が大きくなる傾向があり、UV吸収端の波長が短くなる性質を持っていることから、歪みが少ない光学特性が必要なガラスやレンズなどに使用されることが少なくありません。性質的にはアルカリ性であるため安定しており、様々な薬品の影響を受けにくいと言うこともこれらの用途に利用されるポイントとなっています。
これは少量の重金属を含んでいますが、これに応じてナトリウムやカリウムなどアルカリ金属の含有量も高くなる傾向があります。これらはソーダライムガラスもしくはリン酸塩ガラスとも呼ばれますが、非常に特性が安定しており加工しやすいと言うメリットもあるため、現在では様々な用途に利用されることが多いものでもあります。
レンズやミラー基板等に使用される理由は、寄生伝搬損失が低いことによります。寄生伝搬損失とは、レンズの材質により光の透過が歪められる性質のことであり、これが発生すると歪んでものが見えると言う現象を引き起こすため、レンズなどの目的には不向きなものとなってしまいます。一般的なものでは多少の歪みが生じても実際には支障がないため、より加工が容易なこのタイプを利用することも多いのですが、レンズやミラー基板の場合には歪みを生じると品質自体に大きな影響を及ぼすことになります。そのため、この歪みが少ない材質を利用することが一般的となっており、広く利用されているのがその特徴となっています。
イントロダクションでこのタイプは屈折率が非常に少ないことから、その特性を生かしレンズなどに利用されることが多いとなっていますが、利用されるコンポーネントやエレメントの状況によっては適さないケースも多いため、この場合には一般的な種類のものが使用されることも多いものです。特に軽量の光学製品の場合にはフリント素材から作成する場合も多く、屈折率が高いことから薄く軽量にできると言うメリットを生かし使用することも少なくありません。メガネのレンズなどはこの要素が要求されるため、フリント素材を利用することも多いことに注意が必要です。状況に応じて使い分けることができるものであることも、1つのポイントとなっています。