ガラスといってもその種類は多岐にわたります。防災安全ガラス呼ばれるものがありますが、どのようなものなのかというと、二枚の板ガラスの間に合成樹脂の中間膜をはさんで、熱と圧力で圧着した合わせもののことを指しています。二枚が強力にくっついていることから、耐貫通性にも優れていて、万が一割れてしまったとしても、破片が飛び散ることはほとんどありません。防犯面や防音性にも優れていて、経年劣化もそれほど見られないことからメンテナンスも不要です。一番身近なところでいえば、特に高い安全性が求められる自動車のフロントにも採用されているものです。
一つ目の特徴としては、割れても破片がほとんど飛散しないということが挙げられます。強制的に破壊し、全体の何パーセントが破片として飛び散ったかを重量比で表したものを飛散率と呼びますが、一般のタイプの場合には約50から60%が飛散するのに対し、防災安全ガラスの場合には、わずか1パーセントの飛散率となっています。そしてたとえ割れてしまったとしても、割れた際の破片が小さいことも特徴の一つです。これによりけがなどの事故防止にも、大きな効果を発揮することでしょう。また警察庁や国土交通省も含まれた会議で、防犯面で想定される試験を実施して合格した防犯性能に優れた建物部品に認定される、CPマークの使用も認められています。二枚のガラスの中間膜により太陽光に含まれる紫外線を99パーセント以上カットすることもでき、家具や壁などの色あせを防ぐこともできるでしょう。
このような特徴があることから、自動車以外には、小中学校や保育園、幼稚園などの施設、病院や福祉施設、役所や警察、消防施設などに加え、大規模商業施設などにもお薦めのガラスと言えるでしょう。また省エネ効果の高いガラスとの組み合わせも可能となっています。これにより防災機能の強化にもつながり、ガラスからの熱の出入りを防ぐこともできるので、環境への負荷も軽減することができるでしょう。