コンビニエンスストアのセブン-イレブンは、日本に何店舗あるかご存知ですか?
北は北海道、南は九州まで、なんと12,942店もあり、日本ではトップの店舗数を誇ります (2010年10月末現在)。
今回は、そんなセブン-イレブン・ジャパンの建築企画担当マネジャー小山修司さんに、店舗が使用しているガラスについて伺いました。
地域の気候に合わせた「節電・温暖化防止、台風対策」を考えるセブンイレブン。
北(寒冷地)はガラスの結露対策で複層ガラスがを、
南(九州)は大きな台風に備えて防災ガラスを使っています
透明なガラスは、店内を明るく見せる大切な要素。地域の特性に応じた、必要な性能を慎重に選んでいます。
セブン-イレブンは日本各地に店舗を展開しているので、気候や風土はさまざまです。例えば、寒冷地では結露の問題、九州では台風被害があるので、店舗のフロントに使用するガラスは気候条件に合わせて選んでいます。
店舗のエコ対策という面では、照明設備等も含めて全体的に、費用対効果の高さを優先に検討しています。ガラスについては、北海道や東北などの寒冷地で、結露を防ぐために断熱性能の高い複層ガラスを使っています。
複層ガラスの使用エリアは見直し中。より効果的に導入したい。
これまで県別に寒冷地と温暖地を分けてきましたが、現在、全国の市町村別に「本当の寒冷地はどこ?」と見直しを進めています。例えば、北陸でも温暖な地域は結露しませんが、逆に栃木では寒くて結露する地域が一部あるので、そういう場所には複層ガラスを導入します。
一方、南の九州では以前、シャッターを使っていても台風による大きな被害を受けた経験があります。
九州ではもともと台風対策としてシャッターを導入し、いつ来るかわからない大型台風に備えていました。にもかかわらず過去の大きな台風では、外から瓦やトタンなど色んな物が飛んできて、シャッターと一枚ガラスを突き抜け、店内に突き刺さったという事例があります。そんな経験もあって、店を経営している現場の人達は、板ガラスは怖いという印象を強く抱いていました。
台風対策のために、シャッターから合わせガラスへ。
九州の店舗に導入していたシャッターは、コストがかかることも問題でした。そこで、その代替として昨年、店舗のフロント全面(入り口以外)に合わせガラスを使うことにしました。現場の人たちは、あれからまだ強い台風が来ないので実感していないと思うけれど、物がガラスを突き破って入ってくるという不安はないと思います。
ATMが設置されている部分の防犯対策として合わせガラスを使用している店舗もあります。
2001年に店舗にATMを設置し始めましたが、当初は板ガラスを使っていました。でも、栃木県で強盗事件が発生し、それを機に、正面のガラスを背にATMが設置されていて、かつ外に車が停まるスペースがある店舗は、一部を防犯ガラスにしました。強盗犯にアピールするために、「防犯」とかかれたシールを貼っている店もあります。
最後に・・・
セブン-イレブンは、建築という意味では微々たるものです。でも、日本国内の総店舗数は多く、お客様の数や商品数でいえは莫大です。チェーン店として、安全面はもちろん、特にエコという部分では、費用対効果が一番ですが、対策は今後もしっかりと続けていきたいと思います。
(以上、小山さん談)