防犯ガラスとは割れにくく、割れてもケガをしにくいように設計されたもののことです。強度や耐火性、安全性を考慮して製造されたものも含まれます。さまざまな種類があるので具体的に説明してきます。防犯ガラスには熱強化タイプと強化タイプなどがあります。熱強化は通常の焼きなましのものよりも、速い速度で冷却されるものです。強化は熱強化よりもさらに冷却速度が速い傾向があります。外にも2枚以上の板を使用する合わせガラスもあります。

合わせは、2枚以上をプラスチックで接合したものです。熱強化は焼きなましたものを均一に加熱した後、ゆっくりとした速度で冷却して作られます。この冷却速度が強度につながります。通常の冷却では、冷却速度が遅くなりますが、冷却速度を変えることで、より強度の高い製品を作ることが可能になります。熱強化は、同じ大きさ、厚さの焼きなましと比べて約2倍の強度があるため、風荷重や衝撃に強いという特徴を有します。割れたときに、焼きなましのように大きな角の立った破片になります。さらに熱応力に耐えるため、高層ビルは一般的にこの種類を使用します。しかし大きな破片に破壊されるため、対犯罪用としては認められません。ちなみに建築基準法によって安全のためにシャワードア、商業用ドア、店舗用ドアに防犯性能を有したものを使用することが義務付けられています。
強化タイプは、冷却処理された板を均一に加熱することで作られます。そのあと焼きなました板の両面に同時に空気を吹き付けて急速に冷却します。これをエアークエンチといいます。急激に冷やすことで、表面の圧縮力と内部の引張力が大きくなるのが強さの理由です。同じ大きさと厚さの焼きなましタイプの約4倍の強度があります。熱や風、衝撃による力に対抗することを期待して防犯意識の高い自宅に使用されることが多いです。
ワイヤーが入ったものあります。特定のデザインで溶接された金網を、ローラーに入る前にガラスを投入して作られます。ワイヤーは強さを高めるものではありませんが、切断された破片が砕けたときにサッシに固定する役割を果たします。防火窓や防火ドアに使用すると効果的です。
防弾ガラスは積層の板を何層にも重ねた構造をしています。1枚1枚の間には、銃弾のエネルギーを吸収するポリカーボネート素材が入っています。厚ければ厚いほど、高い衝撃に耐えることができます。一方方向だけの防弾タイプもあり、片方からは撃つことができますが、逆に被弾することはありません。