“窓ガラスの種類は、1枚のみのシンプルな単板ガラスを始めとして、複数枚で作られる複層ガラスや網入り、ガス入りなどがあります。単板ガラスは補強も何もありませんから、厚みを持たせないと小さな衝撃で割れますが、網入りだと割れても飛び散りにくく安全です。

網は衝撃に耐えるものではなく、あくまでも飛散防止を目的としていて、主に火災の際に発生する飛び散りを最小限に抑える為にあります。使われる場所はマンションが多く、火災の際に下階にガラスが降り注ぐのを防ぎます。複層ガラスは空気や真空層を設けたもので、住宅用のガラスの種類としては一般的です。
単純に単板ガラスを1枚張り合わせるよりも、断熱性能が大幅にアップしているのがポイントです。構造が構造なのでコストは掛かりますが、その分室内の快適性が高まりますし、冷暖房の無駄が減らせるのでエコだといえます。建設用ガラスのガラスの種類は、単板か複層に分けることが可能で、それぞれが進化を遂げています。単板はすりガラスや模様入りの型板ガラスなど、デザイン性の面で進化しました。
機能性は複層ガラスに譲りますが、それでも単板ガラスには衝撃に強く割れにくく、割れても怪我の恐れが小さい強化ガラスがあります。熱線を反射して室内温度の上昇を避けたり、逆に熱線を吸収する建設用ガラスもあるので、用途や場所に応じて使い分けられます。ただし、強化ガラスは防犯目的ではなく、力の入れ方によっては割れますから、別途対策が必要になります。複層ガラスは単に層を設けるだけでなく、表面に金属膜をコーティングしたり、ガスを入れて断熱性を高めているものまで登場しています。
ガスはアルゴンガスが主流で、元々空気中に含まれていますが、窒素や酸素と比べると割合が小さいのが特徴です。アルゴンガスは化学的な安定性が高く、いわゆる不活性ガスとして優れます。勿論人体に毒性はないですから、万が一割れて漏れ出しても安心というわけです。身近なところでは電球などの照明で使われているので、知らなくても実は案外身の回りに存在しています。
アルゴンガスが選ばれる理由には、断熱性が空気よりも高く、対流を抑える性質を持つことが当てはまります。このように、通常の複層ガラスよりも複雑な構造ですし、ガスを封入する気密性が問われるので、高精度かつコストが高い建設用ガラスです。遮光や省エネに飛散防止、防犯や防爆に防弾と、機能を追加するフィルムもありますが、基本的な特性や性能はガラスの種類で決まります。”