住宅やさまざまな施設の窓をはじめ、グラスやテーブルなどにも使われることの多い素材の一つがガラスです。透過性に優れており、デザイン面ではシンプルでスマートなデザイニングに向いている素材だといえますが、一方で耐久性について心配する方は少なくありません。

ガラスといえば、鈍器など強い力のかかるもので叩いたり、突いたりして割れてしまうようなイメージを持っているという方も多いでしょう。そもそもガラスは割れやすい物質で、どのようなものであっても単純なガラスであれば耐久性がそれほどありません。プラスチックや紙のコップを落としても壊れることはありませんが、ガラスは落とせばすぐに割れるため、ほんの少しの衝撃だけで傷ついてしまうことがわかります。
衝撃を与えるだけではなく、見落としがちなのが火に対する安全性です。ガラスの受熱影響は凄まじく、少しの高温で割れる可能性があるほどです。基本的に、ガラスが割れる原因は温度差が生じることにあります。ガラスのような物質が周囲よりも高い温度を感じると、その温度差によって物質が膨張します。通常であれば膨張していくだけで割れることはありませんが、ガラスの場合は熱伝導率が非常に低いため、全体の中で一部分だけが温度差によって膨張していき、膨張している部分とそうでない部分との間で歪が生じてしまいます。よって、ひびが入って割れるというのが一連の流れです。
製造されているガラスによってさまざまですが、基本的にガラスは60度程度の熱をしばらく受けていると徐々に膨張していき、いずれは割れてしまいます。一方、そのような原因で割れる場合、耐熱ガラスなどを使用することによってある程度ガラス割れを防ぐことができます。しかし、耐熱ガラスであっても直接火が当たってしまった場合、耐熱効果が十分に作用するとは限りません。
耐熱ガラスというのは、熱に強いというわけではなく、あくまで「温度変化が生じた際に割れづらいガラス」のことを指す場合が多いです。そのため、直接火に当たってしまうと、温度変化ではなく高温の熱によって溶かされてしまったり、火が遠い場合は温度変化によって膨張して割れたりするケースもあります。キッチンなどある程度離れた環境で火を扱う場合、通常のガラスもしくは耐熱ガラスを使っていて問題はありませんが、耐熱ガラスだからといって火に対して絶対的に安全というわけではありません。導入を検討している際は、注意するようにしましょう。